硫飛は固まったまま私を見ていた。




たぶん突然のことで驚いたんだと思う。




でも、私の気持ちを知っておいてほしかったから。




別に答えを出してほしいんじゃない。




ただ…知っていて欲しかっただけ…………。




「…でも………俺、病気だし。」




硫飛は目を伏せながら言った。




『関係ない!!私は硫飛だから好きになったの!!』




「でも!!」




『硫飛のわからずやッ!!』




私は鼻の奥がツーンとした。




「麗子…ごめん。だから泣くな。」




そう言って硫飛は私を抱きしめた。




私はそのまま硫飛の胸に顔を埋めた。