「私、ここが学習塾だと勘違いして、よく確認しないまま来ちゃったんです…」
だんだん声が小さくなる。
だって、よく考えたら、自分がすごく恥ずかしくなって。
「あはははっ…あなた面白い子ね!」
手を叩いて大きな声で笑うお姉さん。
ますます赤くなる自分の頬。
「ここは幼児向けの学習教室。
あ、私はここの佐伯光(サエキ ヒカリ)よ。」
「わ、私は橘実と申しますすす。」
あ、また噛んでしまった。
また口の中の口内炎が小さく痛む。
「ぶはっ!緊張しすぎよ、あなた。もっと楽にしていいから」
「あ、はい!」
…
明るい佐伯さんの雰囲気に、いつしか私の緊張は消えていて。
それどころか、話そうと思っていなかったことまで話していた。
今の現状に違和感のような感情を抱いていること。
何か変わりたくてここに来たこと。
自分自身を理解できなくて戸惑っている状態のこと。
いつのまにか人生相談所に変わっていった。


