「ごめん、」 これからのことを先に謝罪した口で近藤洋平へのざれ言を歌うであろう少女の唇を塞いでしまおう。 もう決めた。 防犯ブザーなんて片思いの愛情には意味がないのに、やっぱり田上結衣は馬鹿で、 身近な人が一番狂っているのに、警戒しない人懐っこい赤ちゃんみたいに気を許すから頭が悪い。 俺はこの恋を諦めるために踏み出そうと踵を上げた――理性に従い守ってきた距離、足音が聞こえるのは何故?