クラスメートたちのように可愛いから付き合うとかやりたいから抱くとか、その程度の関係ではなく、
あいつは綺麗にあの子と恋愛をするから――だから田上結衣は学校で一番ぴかぴか光って星みたいな存在となるため、皆が目を離せないのだ。
そう、俺が彼女を諦められない理由は皮肉なことに彼氏に恋をしている結果なのである。
そして、そんな察しが良い自分だからか、二人の愛が永遠かどうか見極める方法を随分と前から知ってしまっていた。
つまり、近藤洋平がつまらない冗談をあほみたく執拗に言わなくなったら彼氏の飽きた証拠で、
田上結衣が面白くないことで馬鹿みたく大袈裟に笑わなくなったら彼女の気変わりした証明だと説いても間違いではない。
自分たちが同級生らの会話を作っていることを、服コの愛妻家と普通科の女神は知らないことが美徳なのだろう。



