それからの毎日は、あいつを好きなあの子に対する苛立ちに負けて肩書だけが彼女の他人を抱かなければ良かったと全力で後悔する苦悩なものだった。
なぜって、知ってしまったらもっと最悪な苛立ちに襲われることとなったからだ。
そう、大好きな田上結衣は近藤洋平が囲った腕の下で馬鹿みたいに気を許しているなんて嫌で嫌で堪らなかった。
勝手だが許せなかった。
それから、誰も知らない田上結衣を好きなだけ可愛がれる近藤洋平が羨ましくて仕方なかった。
お願いだからこの先一生手を出さないでほしいと何度願ったかは分からない。
俺があの日、恋人の距離感を経験しなければ、新しい嫉視が生まれることはなかったのだから、
すべては自業自得だと言われたら何も反論できないのだけれど。
