自ら押し倒しておきながら非常に失礼な話だが、交際期間もずっと頭の中にはあの子が居たのは情けないけれど紛れも無い事実だ。
まあまあ可愛い恋人にキスをしてもただ唇が合わさるだけで、初めてなのにちっともときめかなかったため、
これは間違っていると気づき、早速中断しようと決意した。
俺にだってプライドがある、好きでもない子としたらむなしいだけだと分かっていたからだ。
けれど、あいつもこうして自分の下にあの子を隠しているのかと思うと急に苛々してきて脳みそが狂ってしまい、
自分で自分がコントロールできなかった。
つまり、あの時の大塚という少年は、民から痛いと定評のあるお花畑の国の王子様よりも皆から慕われているお姫様に腹が立っていたように思う。
