宿題するから利用して




ペアリングではない、鍵の輪。

嫌ってさえくれないから近藤洋平には敵わない。
告白すら許してくれないから田上結衣へは叶わない。

二人はマドカ高校きってのお似合いカップル、素晴らしい青春のシンボル。


いい加減、終わらせよう。


暗い校舎に響くのは、甘い歌声。

「洋平とかバカじゃん、あんた目障り」
「お前なかなか耳障りーあほ結衣うっぜ」


二人の時は下の名前、皆の前では苗字で呼び合う――その淡さがときめきを馳せる夢だった。

マイナス要因の単語に正反対の幸福を与えられる二人の生き様に憧れていた。


もうすぐ皆と協力する体育祭や文化祭、恋人らしいクリスマスやバレンタイン……ますますあの子はあいつと大切な思い出を増やしていくのだろう。

二人にとって過去も今も未来も繋がる秘訣、笑い声が絆のキーだと俺は信じている。