十数分前まで爆睡していた田上結衣は起きてからしばらく経ち、もう喉は開いているにもかかわらず、 近藤洋平ときたら些細な声質の違いが分かるのだ。 彼女のことなら何でも熟知している彼氏が羨ましい反面、憎らしくて腹が立つ。 そうして嫉妬に疲れた人間が次に向かう先はあまりに危険過ぎるから我ながら困ってしまう。 「…………。」 繰り返す歯ぎしりが仮に愛情に比例するなら、とっくの昔に俺の奥歯は砕けているのではないかと思った。 やっぱり近藤洋平はうざったい男だ、こんな奴が彼氏だと認めたくない。