youthful days~男女7人青春物語~

「んー…」

永田のせいですっかり乱れてしまった髪を整えながら、ルイは歩いていた。

「雨野さん、大丈夫?」

隣で加藤が心配したように話しかけてきたので、
「いつものことだから大丈夫だよ」

ルイは髪から手を離すと、前に視線を向けた。

10メートル先には、愛の姿があった。

「今のところ、何にもないね」

そう言った加藤に、
「うん、大丈夫みたい」

ルイは言った。

犯人らしい人影は今のところどこにも見当たらない。

「けど、見当たらないって言うのもそれはそれで変だね」

そう呟いたルイに、加藤は首を傾げただけだった。