「あんなことをされる前にお前も少しは拒めよ!」

永田が呆れたと言うように言った。

(いや、拒んだんですけどサラリと交わされました)

そう言いたかったが、後が怖いと予想したので口を閉じて黙った。

「と言うか、何で…」

光は永田の様子に気づいた。

“心配した”と、彼の目がそう言っている。

不覚にも、光の心臓がドキッと鳴った。

(んっ?)

今の自分の様子を疑った。

何故、永田にドキッと心臓が鳴ったのだろう?