ゴンッ!

その音と同時に沖の頭のうえに降ってきたのは、げんこつだった。

光はそのげんこつの主に視線を向けた。

「――あ、先生…」

げんこつの主は永田だった。

「何やってんだよ」

彼の躰から出ている怒りのオーラに、光の躰が震えた。

「イテテ…あ、先生」

頭をさすりながら沖が永田に視線を向けてきた。

「先生じゃねーだろ」

そう言っている永田の顔は笑っているけれど、目は笑っていなかった。

(ああ、怖い…)

光は心の中で呟いた。