youthful days~男女7人青春物語~

莉緒の目に映っているのは、自分ただ1人だけだった。

自分を映し出している彼女の目に、吸い込まれそうになる。

「ウソじゃ、ないんだな?」

そう聞いた蒲生に、莉緒は首を縦に振ってうなずいた。

「ウソだったら、承知しないぞ」

「ウソじゃなかったら、言いません」

「北原」

名前を呼ぶと、そっと彼女の頬に手をそえた。

莉緒が目を閉じる。

蒲生はそっと目を閉じると、顔を近づけた。

何も聞こえないこの世界にいるのは、自分たち2人だけだった。