永田とは躰の関係もなければ唇の関係もなかった。

「敦は、初めてな訳ないもんね」

当然自分よりも年上で、自分よりも生きている訳だから。

「まあ、そりゃな」

大きな手が頭をなでた。

「けど俺は、光の初めてが俺でよかったって思ってるよ」

ニコッと優しく微笑んで、永田が自分を見つめてきた。

そんなことを言われたら、返す言葉が見当たらない。

「ずっと、一緒にいてくださいね?」

自然と唇からこの言葉が出てきた。

「ああ、約束する」

重なった唇に、光は目を閉じた。

これから先も、彼が隣にいてくれますように。

彼との間に、ずーっと愛がありますように。

そう願ったのは、ここだけの秘密だ。

☆★END☆★