youthful days~男女7人青春物語~

「は、はい!」

名前を呼ばれた光は慌てて席を立った。

「大丈夫か?」

心配そうな顔をしながら、蒲生が光に聞いてきた。

「ああ…はい、大丈夫です…」

光は背中に冷や汗が流れるのを感じながら返事をした。

「じゃあ、20ページの4行目を読んでくれ」

「はーい」

光は教科書を持つと、そのページを読み始めた。

同じ空手部の顧問だけど、性格は違う。

厳しい永田とは違って、蒲生は優しい。

そんな彼を心の底から好きだと、光は思った。