「へえ、そんなことが」

加藤が言った。

「でしょ?

ジョーダンにも程があるって言う話だわ」

ぼやくように言った後、ルイは息を吐いた。

愛は次の時間にある授業の準備を手伝っているため、図書室にはいない。

加藤と2人だけだ。

「バカバカしいったらありゃしない」

笑いながら言ったルイに、
「僕だったら、雨野さんにそんなつまんないウソをつかないのにな」

加藤が小さな声で呟いた。

「えっ?」

それは、どう言う意味なのだろうか?

訳がわからなくて、ルイは首を傾げた。

「――ずっと好きだったんだ」