youthful days~男女7人青春物語~

指名されたルイは焦った。

誰がどこを読んだかなんて聞いていなかったからだ。

いきなり次のところを読めと言われても、聞いていないこっちからして見ればわかる訳がない。

どうにか平静を装いながら、ルイは教科書を持つと席を立った。

『39ページの4行目』

焦っていたルイに救いの手を差し伸べてくれたのは、愛だった。

ノートに書いて教えてくれたのだ。

(助かった!)

ルイは心の中で愛に感謝しながら、そのページを読んだ。

「はい、ありがとう」

読めたことにホッと胸をなで下ろしながら、ルイは席に座った。

そして隣の席の愛に口パクで「ありがとう」と伝えたら、彼女は微笑んで返してくれた。