youthful days~男女7人青春物語~

「弘一」

杏夜が名前を呼んだ。

「あなた、何してるの?」

聞き終わらないうちに、逃げ出した。

ププーッ!

どこかで車のクラクションが鳴る音がしたが、無視をする。

とにかく今は逃げ出したかった。

杏夜の前から逃げたかった。

逃げて、逃げて、杏夜が追いかけてこないところまで…。


「蒲生先生、遅いですね」

「もう9時を過ぎたって言うのにな」

光と永田はテーブルのうえの冷やし中華に視線を向けた。

向けた瞬間、グーッとお腹が鳴った。