youthful days~男女7人青春物語~

聞き覚えのあるその声に振り返ると、
「莉緒」

莉緒が手を振っていた。

こうして名前で呼びあうようになったのは、博物館のデート以来だった。

2人なのにおかしいからと言う莉緒の理由で、名前を呼びあうことにしたのだ。

ただし本当に2人きりの時だけだが。

莉緒が駆け寄ってきた。

「ずいぶん早いじゃないか。

まだ5分前だろ?」

そう言った蒲生に莉緒は口角をあげると、
「待ち合わせ10分前にくるのが当たり前よ」
と、得意気に言った。