永田はルイを本気で思っている。

普段は照れ隠しのように彼女にふざけたことをしているけど、本気で恋をしている。

そう思ったら、自分の片思いは決してかなうことなんてないと思った。

永田と結ばれることなんて、そんなものは夢のまた夢の話でしかない。

「永田先生?」

永田から返ってきたのは、いびきだった。

「寝たフリをするくらいなら教えろー!」

肩を揺すったり、パジャマを引っ張っても、永田は起きない。

その隣の部屋で、光は壁に背を向けていた。

自分の思いが永田に届くことなんてない。

永田と両思いになることなんて、決してない。

そう思いながら、光は目を閉じた。