永田の好きな人を知っている分、ダメージもその分大きい。

「それで、誰なんですか？」

蒲生が永田に聞いた。

「それは言えません」

永田から答えが帰ってきた。

「何だよ、聞いてきたのはそっちだろ」

光は耳をふさぎたかった。

けど、それができないのは何故だろう？

もうこれ以上、話を聞きたくないのに。

つらいから、なおさらのことなのに。

「けど、俺は彼女のことを思ってます」

自信満々に永田が言った瞬間、ズキッと光の胸が大きな音を立てて痛み始めた。