いると言った方が、まだマシだったみたいだ。

蒲生はその気持ちを隠すように、
「お前は、そう言うヤツがいるのか?」
と、永田に聞いた。

それを知っている光は、永田がどう答えるのかと待った。

「いますよ」

特に否定もしないで、永田が言った。

肯定したと、光は唇を噛んだ。

「ええっ!?」

驚きのあまり、蒲生は大きな声を出した。

「シーッ!」

永田が人差し指を口に当てる。

「隣で川上が寝ているんですから!」

そう言った永田に、光の胸が痛くなった。

(こんなところで気をつかわれても、嬉しくないのに…)

逆に、悲しくなっただけだ。