今度は永田が声をかけてきた。

「ん?」

「蒲生先生って、好きな人がいます?」

その質問に、ドキリと蒲生の心臓が跳ねた。

その質問に、チクリと光の胸が痛んだ。

「なっ…何を言うんだ、いきなり」

動揺のあまり、声が引っくり返りそうになった。

光はギュッとふとんを握ると、2人の次の言葉を待った。

「ですよね、蒲生先生には奥さんがいますから」

クスクスと笑う永田に、蒲生は複雑な気持ちになった。

妻はいても、今は違う女に恋をしてる。

いつの間にか妻に対しての気持ちを忘れて、自分は他の女に恋をした。