「なっ…!」

蒲生は驚いた。

電話の着信履歴とメールの受信履歴が、全部杏夜の名前で埋まっていたからだ。

1番古いのは今日の朝9時からで、それから10分起きに電話やメールが届いている。

(今さら何だよ…)

杏夜で埋めつくされたこのディスプレイを、蒲生は壊したくなった。

心配したから、電話した。

心配したから、メールした。

そのどれもが今さら過ぎて、笑える。

もう遅い、手遅れだ。

蒲生はそう言いたかった。