「…ほら食えよ」


そう言って隼人はニヤニヤしながら卵焼きを箸で掴んで突き付けてきた。



…ふっ…。

あたしがそれに素直に口を近づけると思う？


…するわけないでしょ。



―スッ


あたしは突き付けてきた卵焼きを箸と箸の間から指で取った。



フンッ！


これくらいあたしでも考えつくわよ。



「あっ！…思いついたか…」



「…はぁ？ちょっとバカにしてんの？」



「思いつかないと思ってた」


……ムカつくーっ！


隼人から箸を奪い返して、あたしは黙々とご飯を食べた。




「…そろそろ教室戻るか」


「うん」



「あっ帰り教室に迎えに行くから」


帰りも一緒なのか…。



「分かった。早くしてね」


「あいよ」