１９番目の彼氏

「用件はここでお願いできますか？」



「何でもいいから、とっとと来いよ！」


ガッと数人の女子に腕を引っ張られた。



「…ちょっと止めてよ！！」


見向きもしない。


「止めてってばっ！」


聞く耳さえ持たない。

何なの、この子達？



連れて来られたのは体育倉庫だった。


何となく次に待っている事は想像ついた。



「…ちょっ、キャッ！」


着くなり体を押されてあたしはマットの上に転んだ。

それを見て笑う数十人の女子達…。



…もう我慢できないっ！……ムカつくっ！


ここまでされて、おとなしく黙っていようなんて思ってられるほど、あたしは心が広くない。



「あんた達そんな大人数じゃないとこんな事できないわけ？」


「…ふっ醜くすぎ」


…何か言い返してみなさいよ。



「…ねぇ、あんたさぁ隼人様と付き合ってんの？」

「…昨日あんたと隼人様が抱きしめ合ってんの見たんだよね」


リーダーっぽい女が口を開いた。


なるほど…あいつ繋がりか…。


抱きしめ合っていたってよりも正式に言うと抱きしめられていただけどね？



「…だったら悪い？」


「…てめぇ！ちょっと可愛いからって調子のんじゃねーよっ！」


一人の女があたしに馬乗りになってきた。