19番目の彼氏

緑でも良いけど…正直ちょっと頼りない…。



まぁ…大丈夫でしょ。


あんなに吉川隼人に脅されたんだから。



「いい、大丈夫だから」



「…じゃあ…」



―グイッ


あたしは吉川隼人に抱きしめられた。



「振りほどけるよな…?」

耳元で囁かれて耳がゾクゾクする。


体に纏(まと)わり付く吉川隼人の手は力強い。



試されてるはずなのに…


あたしの心臓はとってもドキドキしてる。



…何で…………?



…吉川隼人の心臓の音が心地良い…―。




「振りほどけないの…?」


その一言で我にかえった。


…今…あたし何思ってた…?



「やだ、離してっ!」



…そう言ってるけど…あたしさっき…





…ずっとこのままで居たい、って……。



「…俺もやだ。嫌なら自力で振りほどいてみろよ」



くっ………!


精一杯の力で吉川隼人の胸を押してもビクともしない。



…こんなに力入れてるのにっ!



ビクともしないどころか腕の力はさっきより強くなっている。