19番目の彼氏

「手大丈夫?」


あ…強く掴まれてたんだっけ…。


…確かに痛い…。

それに赤くなっている。



「…大丈夫。帰って冷やすから。それより…」



…うぅっ……!

…い…言えない……。


…¨あ¨から始まる5文字が…。



「それより…?」


吉川隼人はニヤニヤしてる。



…絶対あたしが言いたい事分かってるし、こいつ。


…ム…ムカつくぅ〜!



「…わ…分かってるなら言わなくていいでしょ!」



「…何の事?」


はぁ!?

ふざけないでよっ!



「分からないなら良い」


そう言ってあたしは帰ろうとした。



「………何よ…」


吉川隼人はあたしに携帯を向けてきた。



「またあいつが近づいて来るかもしれないよ?だからメアドと番号交換しとこ」


早く携帯出して、というかの様に手を出してきた。



…確かに敬太がまたあんな感じにしてくるかもしれない。


…そうなったら…あたしの力じゃ敵わない。



…けど得体の知れない吉川隼人に助けてもらうのは嫌だ。



…それに怪我されても困る。