「冥王星人と仲直りしたのか。よかったな」
と矢野が休み時間に、ぼくに話しかけてきた。

「それを言うなら、海王星人だろ」

「そっか。冥王星は惑星から外されたんだった」
矢野は、へんに理解して、うなずいた。

「仲直りっていうか…、あいつ、これでいいのかな」

「ん?どういうこと?」

「じつは、ミスグランプリが帰ってきたのよ。ぼくのところへ」

「えぇーー!あの海王星人をふる女がいるのか!」
矢野のレスポンスはいつも的外れだった。

「ぼくが、彼女をやつにとられたときは、ショックで話す気にもなれなかったけど」

「うん」

「和尚は平然と話しかけてくる。あいつ、ほんとに海王星人なんじゃないかな」


もし、ぼくに対する和尚の態度が忍耐によるものならば、それは相当強靭な精神力が必要だと思われた。