「愛子、元気だなあ。安心したよ」

「ふふふ」
愛子は自信満々の笑みを浮べながら言った。

「わたしは将来、新聞記者になるの。小さなことでは、へこたれないわよ」


ぼくは愛子につきあって、25mプールを100回くらいターンさせられた。

「あはは、このくらい余裕よ!」

「でも、ぼくはちょっと休みたいよ。デッキチェアの方に行かない?」

「仕方ないな。じゃ、上がりますかっ」


ぼくらは、ざぶっと水から上がって、プールサイドのデッキチェア2つを占領した。

ぼくと愛子のこんな明るい関係からすれば、和尚と結花のゆらぐ切ない感じはなんなのだろう。