嘘と約束~イブの前夜に

「不利なのかどうかなんて…わからない。でも聞かれた事は、正直に言ったよ…透也がタバコ吸ってる事は、知らないって言っておいたけど…」

「そっかぁ~寒いな…バスありそうだから、乗るか?」

「嫌だ…」

今の心境は、とにかく家に少しでも遅くかえりたい。ただそれだけだった…

透也は、麗那の手を握りしめると、自分のコートの中に入れた。

「麗、今回の事は、俺が悪いんだから、麗は気にするなよ。大丈夫だから…俺バカだな~麗、昨日友達の事で色々あったみたいだし、寒くて可哀想だな~なんて…車だと暖かいだろうと思ってさ」


「もういいよ…処分てどんなのかな~停学とかになるよね…」

「そうだな…停学はあるだろうな。ごめんな」

麗那は、もうこれ以上話したくなかった。教師には絞られ、帰ってからまた親に絞られるだろう。透也と話したところで、事態は変わらない。

急にまた涙が出てきた。

「お願いだから、泣くなよ麗…俺親の所行って、代わりに殴られようか?」