「綺羅先生一緒に登校しても大丈夫ですか?」





「菜々子が嫌なら別だけど、俺は全く構わない。」





「私は全然平気です。綺羅先生といつも一緒はかなり嬉しいかもです。」





嬉しいかもって?





嬉しいのか?





嬉しくないのか?





分かんねぇだろうが。





菜々子に怒っても仕方ないか。





菜々子の笑顔が見れたからそれでいいかな。





こんな感情を始めて知った。





好きな女の笑顔に、胸がキュンとする俺は乙女か。





教師になった事があんなに嫌だと思ったのに、今日は教師で良かったと思った。





教師にならなきゃ、俺は菜々子に出会う事はなかった。





ホストにはもうなんの未練もない。





「ほら行くぞ。」





菜々子がうん頷き、俺の手をそっと握った。