俺は仁くんに呼び出され、
昼からカラオケに行った。


ユウ「おはよーございまぁす。」

ジン「おはよ。」

ユウ「話ってなんすか?」

ジン「作曲のことでな。」

ユウ「音楽理論でしたっけ?」

ジン「よく覚えてたな。」


俺は昨日、仁くんに
音楽理論を教えると
言われていた。


ジン「これはな…
俺の先輩が作った本だ。」


一冊の古びた本が出された。


ジン「この音楽理論は
普通の音楽には通用しない。

独自の音楽性を
まとめた本で一冊しかない。

これをお前に渡す。」


ユウ「そんな高価なものを…?」

ジン「価値なんて全くない。
その辺のやつが見たら、
確実にキレるようなことを
書いてる。それほど、
馬鹿馬鹿しい本だ。」

ユウ「じゃあなんで…」

ジン「音楽は常識じゃなく
個性なんだよ。

ルールも何もない。

みんなが好き放題できる世界。

そんな世界でやってくには
ほかと同じじゃだめ。

まぁあとはそれを読め。」

ユウ「はい…。」

ジン「あと絶対それ
誰にも見せんなよ。」


そして店を出た。