「えっと、…七海菜子です。地元はここから電車で3時間かかるとこです。どうしても櫻川高校に来たかったのが理由です。よろしくお願いします」



「すっげぇとこから来てんな」


「遠いね」


「家はどうしてんのかな」



周りからザワザワとあたしの話をする子たちが騒ぎ出した。



「ねっ、うち戸田知穂。よろしく!」



前の席の子がくるりと振り返り、あたしに話しかけてくれた。



「菜子って呼んでええ?」



「うん」



「ほなうちんことちぃって呼んでな!」