『優衣お嬢様、此処にいたのですか、随分探しましたよ。』



こいつ。
私の付き人をしている甲斐(かい)である。
天国案内人は大変な職種なので、必ずサポートする付き人が一人つくのが原則。
サポートは天国案内人に忠誠を誓い、尽くすのが使命なので、甲斐は私のことを【お嬢様】と呼ぶ。
でもこいつ…



『まったく、あまり一人で行動しないでください。お嬢様は一人では何も出来ないのですから。』



…そう、私の付き人にも関わらず、私に対して毒ばかり言うのです。
でも事実だから言い返せないこの悔しさ…



『まったく、手のかかるお嬢様ですね。』



『う……』



何この屈辱。
付き人なのに…
私のサポートなのに…っ!!



でも、私が魂を救えない時や怒らせた時、いつも甲斐が助けてくれた。
だから感謝してるけど…この態度は気に入らない…っ!!



『か、甲斐がいなくても平気なんだからね!!』



『お嬢様、嘘はいけませんよ』



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