room 2















昨日あんまりちゃんと寝られなかったからか
まだ眠い








屋敷の前に車を止めて






俺はまだ半分閉じたままの目をこすって
家の前のインターフォンを押す












ピンポーンと大きな音が
静かな早朝の澄んだ空気のなかでに響く












ん?







もう人って住んでんのかな?





居てもこんな朝から
起きてなくないか?







眠たい頭の中に
ふと二つの疑問が浮かぶ














だけど心配する暇もなく












インターフォンからは

「はーい」と女性の声が聞こえる










「どうも






今日からここで暮らす事になった
山谷です…」







俺は出来るだけ
声のトーンを上げてあいさつをする




"最初が肝心だ!"って
仕事でもよく上司に言われるし
(人当たり良くしとけば
あんまもめなさそうだし)









俺は出来れば何事もなく
平和に過ごしたい







「今ドア開けに行きますね!」



とインターフォンに出た女性は
何故だか嬉しそうに言う








…自分の鍵持ってるけど

とふと思ったけど






今は眠いから何でもいいや







………………ん?























あれ?





しばらくしても先ほどインターフォン
に出た女は中々出てこない








まあいいか





と自分の鍵でドアを開けようとした時
勢いよくドアが開く













「いっっっ」





額に突然痛みが走って
俺は思わす声を上げる












どうやら







勢いよく開いたドアが
俺の額に勢いよく当たったらしい






朝から災難だ




目の前にたった女は
思ったよりずっと年をとっていて




何だか少しやつれてるように見えた









更に何でだかすごく今走ってきました!
とでも言うように息切れをしていた









「ご、ごめんなさい!!!!」









女はおどおどしながら慌てて謝る
















「…大丈夫です」









と一言言って営業スマイル













女の人は安心したように
笑い返す