私が“最初に"1人"だと感じたのは










愛花がお腹にいる事が
分かってすぐの頃だった








当時、私は23才で
付き合ってた人がいた








優しくていい人だったし
大好きだった







もちろん私は彼と
結婚して2人で育てるつもりだった








でも返ってきた答えは
予想外のものだった







「ごめん


美智子とは結婚できない」



男はもうコリゴリだと
思ったのと同時に



勝手に勘違いしてた
私がすごくすごく恥ずかしくなった







結婚するなら生んでもいいと
一度は許してくれた母親と父親も









「1人で生んで育てるなんて
絶対に許さない」
ともう反対した







母親と父親が私のためを
思ってくれて言っているのは
分かってたけど









何でか急に自分の
“味方"がいなくなった気がして



無性に寂しくなって
“私は1人ぼっちだ”と思った









愛花を産むことを
すごくすごく悩んだ










親だって反対してるし
1人で産むのは何だか惨めで
不安で



生まれてきた子供を
ちゃんと愛してあげられるか
なんて考えたりもした







でも



だんだん大きくなってくお腹に

元気にお腹を蹴る愛花に




“この子は一生懸命
生きてるんだ”
と思った






私が愛花を守ってあげなくて
誰が愛花を守ってあげるんだろう




そう思ったら
生きる力が沸いてきて



“この子を生んで
たくさんたくさん愛してあげよう”
心にそう決めた








愛花がいてくれたから
私は1人じゃないと気付けた





だから愛花が生まれた時
この子に出会えて本当に良かった
と思えた