その後、10分ぐらい、友と話した。

緊張のあまり、何を話したか、覚えてない。



若干の沈黙ができた時、チャイムが鳴った。


ドアを開けると、気を失ってる彩を抱えた裕太くんがいた。


「どうしたの!?」


「友に電話した後に、こっちに向かっていたら、彩がものすごい勢いで走ってるのが見えて、後追っかけたら、家の前で、酸欠で倒れちゃってさ。なんで、そんなに必死に走ってたんだろう?

「それは、多分、彩が優しいからだよ。」

私の目には再び、

涙がこぼれていた。


そうか、あの涙は、嬉しかったから流れたものなんだ。