小さな恋物語

数日後、私を起こしたのはハルからの電話だった。
「彩!公園で待ってるから早く来て!」
ハルはそれだけ言って電話を切った。とりあえず私は素早く身支度を済ませ、公園に向かった。

公園にいたハルはいつもより大人っぽい格好していた。
「その服どうしたの?」
「彼に買ってもらったんだ~」
「彼氏できたの!?」
笑顔でピースをしてくるハルに何も言えなかった。

「実はこれからデートだから、彩に会ってもらおうかなーと思ってさ」

それから少しして、ハルの彼氏が来た。
20歳ぐらいの人で、かなりイケメンだった。でも、あいつはどうすんだろう?
もうどうでもいいのかな?

ハル達と別れた後、しばらく公園のベンチでボーッとしていた。

何か違う。ハルは間違っている気がする。
でも幸せそうだったし、いいんだよね、自分に何回も問いかけ、納得してから家に帰った。

夏休みが終わり、学校が始まってからなんとなく受験モードになったことに嫌気が差していた時、私の元に、ワクワクして、ドキドキすることが舞い降りてきた。