「……やっぱり大丈夫です。頑張ります。」
結局あたしが折れました。
剣を構えて斎藤さんと向かい合う形で立つ。
「………お願いします。」
あたしは深呼吸をして斎藤さんに向かって言った。
「………………こい。」
「行きますっ!」
実はさっき考えたことがある。
剣道をあたしなりにアレンジして、戦いに生かせるようにしたもの。
「やあぁぁぁぁぁっ!」
あたしは斎藤さんに向かって剣を振り上げた。
次の瞬間、あたしの目の前から斎藤さんはいなくなっていた。
「!!?」
あたしは咄嗟に体を180度回転させて剣を振る。
振ったつもりが、あたしの剣は弾き飛ばされていて、首元に斎藤さんの刀があと数ミリというところで止まっていた。
「ぁっ………。」
そうあたしが声をもらすと、斎藤さんは刀をしまった。
「副長、磯矢の剣には無駄がない。一緒にいて損はないかと思います。」
土方さんは刀を拾って鞘におさめた。
「そのようだな。」
「じ、じゃあ…あたし。」
「僕達と一緒にいていいってことだよ。よかったね、真奈美ちゃん。」
と、沖田さんが笑った。
「しかも、一君のお墨付きだもんね。……でも、何もしないのはちょっと、ね?」
あたしを試すように笑う沖田さん。
その言葉を聞いてあたしは、置いてもらえないんじゃないかって一瞬不安になった。
「あたし、料理なら自信がありますよ!洗濯も。家事は得意です。あたしに出来ることなら、何でもやります!」
あたしは、中庭にいる全員を見渡して言った。

