誰もいない台所について、あたしはその場にぺたんと座った。


やっぱり教えるべきだった…。


教えていたら皆だって辛い気持ちにはならなかったし、山南さんだって怪我をしなくて済んだ…。



「なのにあたしは………!」



それを言わなかった。


「ごめんなさい…山南さん……土方さん…。」



罪悪感が心を侵す。


心が締め付けられるように痛い。


「ごめんなさい………。」


そう呟いた時――


「真奈美ちゃん?」


「!!?」


見ると、扉の所に蝋燭をもった沖田さんがいた。


「沖田…さん?もう食べ終わられたのですか?」


あたしは立ち上がりながら、出来るだけ平静を装った。


沖「今、泣いてたでしょ?」


「泣いてなんかいませんよ?」


沖「じゃあ聞き間違いかな?震えた声で『ごめんなさい』って…。」


「……聞き間違いじゃないですか?」


沖「じゃぁなんで今君は泣いているの?君はこうなることを、知っていたんじゃない?」


沖田さんの持っている蝋燭があたしの顔と沖田さんの顔を照らす。


沖田さんは笑っていた。


沖「こんなことしちゃうと、土方さんに怒られちゃうかな。」


そうやって、冗談を言って笑っていた。