土方さんと山南さんが出張に行ってから数日が経ったある日。


夕飯を食べている時だった。


「ちょっといいかい?皆。」


井上さんが入って来た。


沖「どうしたんですか?」


井「大阪の土方さんから手紙が来てな……。山南さんが左腕に深手を負ったらしい…。」


皆が食べるのを一斉に止めた。


永「それで!山南さんは?!」


井「命に別状はないらしいが…。刀を握ることは難しいだろう。」


その言葉に空気が一気に重くなる。



やっぱり、土方さんに教えるべきだったのだろうか…。


このことを知っていたあたしは、土方さんに知らせなかったことをすごく後悔していた。


井「食事中済まない。とにかく食べてしまってくれ。会議がある。」


そう言って井上さんは出ていった。



会議があると聞いて皆は急いで食べはじめる。


あたしは食べる気にはなれなかった。


「……ごちそうさまでした…。」


平「あれ?もう食わねぇの?」


「うん……。ちょっと、ね。あたしの分、食べてもいいよ。先に台所に行ってるから…。」


平「え?あ、ちょっ?!真奈美!」


あたしは平助君の呼びかけを無視して台所に走った。