………
………なみ
…真奈美………
「真奈美。起きろ……。」
「んっ……。」
土方さんの声がして、あたしは目を開く。
ぼんやりとする頭で夜になっていたことに気付く。
「土方…さん?」
「真奈美、何も食べていないだろう?斎藤に作ってもらったお粥、食べろ。」
そう言ってあたしを起こす。
あたしは外に目を向けた。
「外………。寒そうですね。」
「そうか?俺はもう慣れちまったからな。…………まだ冷めないうちに食べたほうがいい。」
「そうですね…。いただきます。」
あたしが食べはじめると、土方さんは外を眺めはじめた。
何してるんだろう…?
「ごちそうさまでした。」
あたしが食べ終わったことがわかると視線をこちらにもどした。
「お、完食か。明日はもう元気になってそうだな。」
「……土方さん、まさか休んでないんですか?」
そう聞くと、一瞬だけ眉が動いた。
あたしはそれを見逃さなかった。
「いいや。ちゃんと休んでいるさ。」
「…休んでいる人は、そんな疲れた顔をしません。目の下だって隈ができてます。」
そう言うと驚いた顔をした。
「…真奈美には敵わねぇのかもな。」
「やっぱり休んでないんですね?……あたしはもう大丈夫ですから、土方さんは休んで下さい。副長が体調を崩してしまってはどうしようもないんですから。」
「……そうだな。じゃあ、部屋に戻るとする。」
「あたしの布団で寝て下さい!あたしが今までいたから、あったかいままです。冷たい布団で寝るよりはそっちの方がいいと思います。」
「そうか。…じゃあ、そうさせてもらう。おやすみ、真奈美。」
「おやすみなさい、土方さん。ゆっくり休んで下さい。」

