「ごめんなさい………。」
あたしはあたしの寝言で目が覚めた。
目を開けた筈なのに、目の前は真っ暗。
「まだ寝てろ。熱が下がってない。」
「………土方、さん?」
土「俺以外に誰がいる?……よくもまぁ、こんだけ疲れを溜めたもんだ。頭痛がするなら、素直に言えばいい。」
見えないのは、冷えたタオルを目にかかるくらいまでのせていたからだと気付いた。
「もしかして…ずっと居てくれたんですか?」
土「当たり前だろう……。心配したんだ。それに、うなされてたし。」
あ……迷惑かけちゃった。
「ごめんなさい………。もう迷惑かけませんから…。」
土「は…?迷惑だなんて………。ほんとに俺がそう思ってると?」
「だって……。居候の身で倒れたりして、そのうえ、土方さんはすごく忙しい筈なのに…。」
そんな忙しい土方さんにあたしの面倒まで見てもらうなんて、迷惑の他何ものでもない。
「ごめんなさい。」
土「謝ってばっかだなぁ…。真奈美はまだ子供なんだから、もっと頼っていいんだぞ。」
と、きっと土方さんは笑った。
「今までだって、充分に頼ってきたつもりです。」
土「全然。真奈美には頼られたことないぞ。もっと甘えていいんだ。」
そう言って、あたしのおでこにのせていたタオルを取る。
見えた土方さんの表情は、優しく心配してくれているような笑みだった。

