練習も、身に入らなかった。


いつものようにちょっと早く切り上げて台所に向かう。


「おはよ……ございます…。」


平「あれぇ〜?真奈美、今日元気なくね?なんかあった?」


「へっ?!そっ……そうかなぁ?そんなことないと思うけど…。」


やばいやばい。


危うくばれちゃうとこだった。


あんまり迷惑かけちゃいけないんだから…。


「そんなことよりさ!早く今日の準備しようよ!平助君。」


平「そっ…そっか。そうだな!」


何とか話しを反らせた。


すると台所の扉が開いた。


平「あれ?土方さんじゃん。」


土方さん?!


土「おう、平助。真奈美いるか?」


平「真奈美?いるよ。」


あたしはちょっとぎこちない動きで振り向いた。


「おはようございます、土方さん。」


土「あ、いた。ちょっと来てくれないか?」


そう言うと、むしろ来ないと駄目、と言わんばかりに手招きをした。


「でっ、でも…。」


朝食の準備が…。


平「いいよ、真奈美。行ってきて。」


「そう?ごめんね、平助君。」


あたしはそう言って台所を出た。