台所に着くと、今日も沖田さんと斎藤さんだった。
「沖田さん、斎藤さん。おはようございます。あたしは何をすればいいですか?」
沖「あぁ、おはよう。真奈美ちゃん。今日はそこに書いてあるものを作るよ。見て、よろしく。」
「はい!」
斎「総司、俺達もやるぞ。」
沖「はいはい。じゃあ、真奈美ちゃんはご飯炊けてるから、まぜてくれるかい?で、そこにあるお椀に同じ位の量になるように。」
「はい。」
沖田さんが指差した方に行き、蓋をあけた。
蓋をあけると真っ白な湯気と共にいい香があたしの回りに漂った。
「いい香〜…。」
あたしはご飯の香をおもいっきり吸い込んだ。
すると隣で魚を焼いていた沖田さんがクスクス笑った。
沖「真奈美ちゃん、ご飯大好きなんだね。」
「はい。白いご飯大好きなんです。あたしのいた時代にはパンという食べ物があるんです。あたしと同じ世代の人って、だいたいパンが好きなんですけど…。あたしはやっぱり、日本人なのであたしはご飯が好きです。」
沖「ぱん、かぁ…。それは西洋のものなのかな?」
「たぶんそうです。今は皆、パンの方が好きです。あたしみたいにご飯が好きな人は、あまりいないです。」
すると沖田は一瞬、淋しそうに笑った。
沖「じゃあ真奈美ちゃんは、未来よりもこっちの方が合っているのかもしれないね。」
その言葉をあたしは冗談だと思って、笑った。
「そうかもしれませんね。確かに……あたしは未来に戻りたくないです。」

