と、廊下に出て初めて気付いたけど、まだ太陽があがっていない。


まだ夜明け前だ。


「朝稽古は毎日ですか?」


「あぁ。ほとんどは幹部だけだがな…。」


「そうなんですか。あの……あたしも参加できたりしませんか?」


すると、土方さんは笑った。


「そんなにやりてぇのか?」


「やっぱり駄目ですか?」


「いや。初めて聞いた時も思ったんだが、刀があんなに上手く使えて練習したいだなんて、珍しいなってな。」


「………それって褒めてます?」


「さぁ。どうだろうな。」


「ごまかさないで下さいよ!土方さん。」


そんなこんなで武道場に着いた。


中に入ると、昨日のメンツが揃っていた。


沖「おはよう。真奈美ちゃん。昨日はよく眠れた?」


「おはようございます、沖田さん。はい。ぐっすり眠れました。」


沖「そう。よかったね。」


藤「お!真奈美じゃん。おはよ。」


「おはようございます、藤堂さん。」


あたしが挨拶すると、藤堂さんは気恥ずかしそうに頭を掻いた。


藤「あー…。そのさ、真奈美。その、《藤堂さん》って言うのやめねぇか?俺ら、歳も近い訳だしさ。」


藤堂さんってそうゆーの気にする人だったんだ。


「わかりました。じゃぁ………《平助君》でどうかな?」


藤「あぁ。そうしてくると助かる。」


そこに近藤さんが入って来た。


近「朝稽古、はじめるぞ!」