あたし達はしばらく空を眺めていた。
「手紙……見るか。」
「見るんですか?」
「ああ。」
あたしがどこうとすると、また土方さんは器用にあたしを動かしあたしは土方さんの隣に座った。
土方さんは手紙を広げて読み始める。
手紙を読み終わったのか、土方さんは手紙を畳む。
「土方さん、なんて?」
あたしの問いかけに土方さんは答えない。
「土方さ……」
土方さんの顔をのぞくと、土方さんの目には涙が滲んでいた。
「総司が死んだ…」
今まで聞いたことのない小さな声で土方さんはそう言った。
「沖田さんが………死んだ…?」
まだあの屯所にいた頃最後にもらった手紙には『調子がいいからまだまだ死にませんよ』と沖田さんの字でかかれていたらしい。
「……沖田さんの分も……あたし達が生きていかなきゃですね…。」
「あぁ……。そのようだな。」

