君が好き




教室に入ってきたのは、

楠くん?



私、いま酷い顔してるのにッ!!


「てめぇ誰だ」


「楠颯真ですけど、っていうか普通は自分から名乗るんじゃない?」


颯真っていうんだ…。


「邪魔」


大地は楠くんを睨んでる。


「そんなこと言われても、俺は友達の忘れ物取りに来た訳だから」


楠くんはそう言うと
友達の忘れ物だと言う
リストバンドを持って
こっちに来た。

え?私の方に来る!?


そして私の手を握ると
ドアに向かって歩き出した。


「てめぇ!!まてよ!葵は関係ないだろ!」


私は楠くんから
離れようとする
でも楠くんは私の手を
ぎゅーっと握って

「だって葵は俺の忘れ物だから」



「ッ?!////////」


い、いま
いま!名前で!!


「あ、あと」


「なっなんだよ!」

大地は怒鳴っている。



「女の子に手をあげるのはいただけないね」



低く真っ直ぐ
大地に向かって
楠くんは言ってくれた。