ふと、葵の目が
腫れてることに気づいた。
《目、大丈夫か?》
俺がそう言うと葵は
え?とでも言いそうな
顔を向けてきた。
《腫れてるから》
そう言葉を付け足すと
葵ははブレザーの
ポケットから
小さな鏡を取って
自分の顔を見ていた。
とたんに、
《うわっ…何これ》
驚いた顔をしてる
俺は耐えきれなくなって
笑ってしまった。
そんな俺を見て葵は、
《な、笑うことないじゃん》
顔を膨らまして俺を見る。
その顔、すごい
可愛すぎるんですけど。
《わりぃ、代わりにこれやるよ》
俺は葵に濡れたタオルを渡した。
葵泣きたそうだったし。
って…葵...、
笑ってる?
かっ!可愛い///
《ぶっ、これあんたの趣味?笑》
そう言って俺が渡した
タオルを俺に見せる
《ち、ちげえし!!///》
可愛い花柄のタオル。
ッ!!
母さんの趣味なのに
絶対勘違いされてる!!
最悪ダァァァ!!!

