君が好き

名前は宮沢葵。
美人ていう訳でもなく
特別可愛いとか
体型がスラッとしてる訳でもない。


ただ去年の春。
高校の入学式を終えて
家に帰る途中


ふと女の声が聞こえた。
《だめだよ!弱いものいじめしちゃ》

俺と同じ制服を着た女の横には、

たぶん小学2、3年であろう小さいガキがいて

因みに、男ね。

そのガキの周りには
たぶんソイツと同じ学年であろう男のガキの集団が居た。


あーイジメか。
こんな小さいガキ達の間でもイジメってもんはあるんだな。


《何もしてないけど》

《そうだよ!僕達悪くない》


こんなガキ如きで面倒くせえなって
俺は思ったけれど、
女は違ったみたいだ。

《悪くないなら、どうしてお姉ちゃんの目を見て言えないの?》



俺はその場から動けなくなった


《ね?ごめんなさいして仲直りしよう?》

真剣な顔から女は
優しく微笑んでいた。


その笑顔は作りじゃなく
心からのだと思う。




ガキ達は泣いているガキに謝って
ちゃんと仲直りして


《ありがとうっ》

あいつらは女に
お礼を言って仲良く
帰って行ったんだ。


俺はすごいと思った。


《あおい−ッ!》

《ああ!まいゴメンッ》


あおい…。
俺はそん時から
葵に恋したんだ。